「TEARS OF TRAGEDY」に結構衝撃を受けた話
歳をとってくると新鮮だって思える音楽に巡り合うのがどんどん難しくなってくる。特に特定のジャンルを何年も何年も掘り続けていると猶更だ。
EDMとかヒップホップとかはまだまだ進化の余地ありそうだし今まであり得なかったようなジャンルが生まれる雰囲気があるけどバンドって結構その辺の余地がなくなってきている気がしていて…
特に僕が好きなヘヴィメタルというのは正直マンネリ化が激しい。今に限ったわけではなくてもうずっと昔から。
テクニックが要求されるジャンルであり、かつ曲もカッチリと構成されたものが多くて弄るのが難しいジャンルではあると思う。そんなマンネリの中でもここ十数年、ジャンルで言えばメタルコアとかDjentとか…最近だとBABYMETALとか頑張っているグループもあるといえばある。
別に斬新さが無いから悪ということを言いたいわけではなく、心に刺されば良いのだが如何せん新しいバンドを探そうとしても「はいはいまたこの感じね」ってなることが本当に多い。心に刺さっても衝撃を受けることがないのだ。
…で、タイトルの話になるのだがTEARS OF TRAGEDYというバンドに久々に衝撃を受けた。どんなバンドか簡単にまとめると、
・クサメロ
・ドコドコしてる
・シンフォニック
ここまではメロディックスピードメタルの基本要素であり斬新でも何でもないのだが、Vo.HARUKAの声質がメタルというジャンルの中ではとにかく異質なのだ。
TEARS OF TRAGEDY - Astrea (OFFICIAL VIDEO)
Astrea, a song by TEARS OF TRAGEDY on Spotify
TEARS OF TRAGEDYの「Astrea - Single」をApple Musicで
メロディックスピードメタル(メロスピ)の曲って99%は暑苦しいんですよ…男臭いというか。
そんなジャンルに近い音楽をやっているにもかかわらず異常なまでの「清涼感」…僕が衝撃を受けたのはここ。JPOP的な雰囲気があるんですよね。優しい声というか。
アニソンとか同人系の音楽とかだと近しい音楽あるんじゃない?って言う人もいそうだけどアニソンとか声優系だと「個人」へのフォーカスが強くてバンドっていう感じがしない。歌い手に合わせた楽曲ではあるけど演奏者の顔が見えてこない感じがすんですよね。
でもこのバンドはギターは弾きまくりだしリズム隊も超絶だしシンセも美しい。ちゃんと主張しまくってる上での調和である。主観ですけどね。僕はそう感じました。
TEARS OF TRAGEDY - Spring Memory (OFFICIAL VIDEO)
もう一つの特徴としてほとんどの楽曲がメジャー調で作られている。これだけなら珍しくもないけど「日本語詞」で「泣きのギター」で「バカテク」っていうフィルターにかけて該当するバンドや楽曲はマイナー調に比べたら圧倒的に少ないと思う。曲単位ではあるけどバンドだともっと少ない。
以上、2点が清涼感の正体である。
「清涼感」と「メタル」…この二つって対義語、というと言い過ぎかもしれないが共存するのが非常に難しい要素ではあると思う。うまいことこの二つを共存しているこのバンドはメタル界では異質ではあるしこれからメタルを聴こうっていう人の入り口になりやすい貴重なバンドであるといえる。
大抵、「暑苦しい」「うるさい」「ダサい」…この三要素が原因でメタルはちょっとって人が多い。というか聴いているほうが特に日本だとマイノリティであると言い切れる。
でも、メロディが美しい…日本人なら刺さるようなバンドもたくさんあるわけで…きっかけがなくてハマるはずだった人がハマらないで人生を終えてしまうのは非常にもったいないと思うわけです。そう思うからブログを書き続けているわけですけれども。
そのきっかけになり得そうなバンドだったので紹介しました。 僕はさっそく買える音源は全部買いましたけど満足度高いです。
HARUKAさんも参加しているVORVADOSもよろしくお願いします。