邦ロック界におけるLUNA SEAのヤバさ
邦ロック界の王御所中の王御所。今更僕がブログで紹介しようがしまいがファンは沢山いるし何の影響もないかもしれないが…
じゃあなんで書いてるのかって?今のロックバンドが好きな若い子にこそ是非聞いて欲しいんですよね。多分10代とか20代前半の人は全然聞いたことないし、バンド名すら知らないなんて人もいるんじゃないだろうか。
邦ロックに一番影響を与えたのはこのバンドなんじゃないかと僕は思っている。ロックファンならば好き嫌いに関わらず教養として聞いておくべきでは?と…
どの辺がヤバいのか?まず全員の個性が異常に強い点が挙げられる。
ググると大体こんな感じで紹介されていたりするのだが各パートそれぞれちゃんと聞いているような人以外はピンとこないと思うので例えてみる。
・UNISON SQUARE GARDENといえば?そう、ベースの田淵である。あのパフォーマンスに加えメインコンポーザーでもある。個性的だ。
・ギタリスト単体で注目されることが無くなってきた2000年代で異様な個性を放つのが9mmの滝。動きすぎ。短パン。弾きすぎ。
・立ち位置からして注目されることが少ないドラム部門だとやはり凛として時雨のピエール中野だろうか。叩きすぎ早すぎ。
と、バンドの顔になっているようなプレーヤーがいるバンドは探せば見つかる。若者向けに最近のバンドで出してみたが昔ならもっと幾らでも出てくる。
…と、1人以上に目立つ奴がいるバンドっていうのはまぁそこそこに存在しているわけだが…LUNA SEAはそんな感じのプレイヤーが全パート存在しているところがおかしい。知名度とかではなく音、プレイスタイル的な意味で異常に個性が強いのだ。
ソロとしてもミリオンを達成しているVo.RYUICHI、ルナシーにおける幻想的で宇宙的な雰囲気の核を担っているSUGIZO、美しいアルペジオや徹底的にバッキングに徹するサイドギターのINORAN、カオスな音楽性のルナシーをロックたらしめているJ、そして全員の演奏の屋台骨である真矢…
濃いメンツである。そして、後世のプレイヤーへの影響度も、90年代世界で一番売れたギターとベースがINORANモデルとJモデルという事実がそれを物語っている。
前置きが長くなったが…
まずは、聴いたことがない人にオススメできる有名・キャッチーな曲を紹介していこうと思う。
・ROSIER
LUNA SEAの"Rosier"をApple Musicで
ROSIER, a song by LUNA SEA on Spotify
超有名超名曲。何を隠そう僕が一番最初にルナシーを知った曲である。
リングモジュレーター+ディレイ全開なほかのバンドでは聴くことが出来ないであろうリードサウンド、覚えやすいメロディ、美しいアルペジオ、美味しいとこどりのドラム、そして””あまりにもかっこよすぎるベースライン””である。
めちゃくちゃシンプルなのだが音が凄い。原曲を聴いてみたほうがいいかもしれないが非常に聴きやすいのだ。太いのだがそれでいて芯がはっきりしておりキレがいい。それがこの疾走感につながっているのだろう。ダイナミクスの重要性。
僕が必要以上に動きまくるベースが好きじゃないのはこの曲のせいだと思う。リズムが主張しすぎないおかげで歌もリードギターも注意をそらさずに聞くことが出来るのだ。全体のバランスを考えて作られたアレンジに感服。
そしてトドメにドラムの連打である。最後の最後まで爆発力が凄まじく勢いが全く削がれないままフィナーレを迎える。ロックバンドのお手本のような曲だ。
お手本なのに似た曲が存在しないのがこのバンドの凄いところであるのだが…
・LOVELESS
LUNA SEAの"Loveless"をApple Musicで
名盤「MOTHER」の一曲目を飾るライブのOP定番曲。ルナシー意外に作れない曲その②。
シンセ的とも言えるくらい不自然で美しいリードトーンとアコギのアルペジオが全体を包む壮大な一曲。でかい会場でやらないと絶対様にならない気がする…笑
幻想的なだけというわけではなく男らしい音でうねりまくるベースラインや間奏のフィルイン…グルーヴを感じさせながらそれぞれの個性が浮き彫りになる名曲であり、同時にコピーバンド殺しの一曲である。僕は殺されたことがあります。
・MECHANICAL DANCE
僕が一番好きな曲。幻想的な雰囲気とは打って変わって初期の凶暴性・狂気じみた勢いが感じられるゴリゴリのロックチューンだ。
今でこそありふれているが、当時のバンドにおいてこの勢いのドラムとボーカルに対してメタル的アプローチを一切せずにカッティングで勝負したバンドって相当珍しかったと思うんですよね。BACK-TICKなんかはちょっと雰囲気が似てるけどここまでじゃない。
ていうかギター二人が全然違うことやり過ぎてもうわけがわからない。普通は片方がコードバッキングをかき鳴らすなりしそうなものだが…二人とも音切りまくり攻めまくり。それでいてグチャグチャになってないのだから不思議。
・STORM
STORM, a song by LUNA SEA on Spotify
1年間の活動休止後の最初のシングル曲。めちゃくちゃキャッチーというか聴きやすい。
楽器隊が突飛なことをしなくなり全体的に空気を読んでいるなという印象があったりする。この曲の凄いところはボーカルのメロディラインだと思う。
日本の音楽シーンは昔から抑揚がついた「高低差」の大きい曲がヒットするようになっている。サビ至上主義とも重なるところもあるが。
だがこの曲意外とメロディに抑揚がなく、結構平坦だったりするのだ。(曲名STORMなのに…)それをこれだけ情感豊かに聴かせることが出来るRYUICHIの表現力はすさまじい。
全く関係ない話になるがメタル好きやギターやってる人は結構この曲が好きって言ってくれる人が多い。ソロかっこいいもんね。
・Metamorphosis
LUNA SEAの"Metamorphosis"をApple Musicで
Metamorphosis, a song by LUNA SEA on Spotify
実は長い間、実質的な解散状態にあったLUNA SEAだが2007年に再始動した。
大物バンドの再始動って話題になったところで音楽的な話にはあまりならなかったり、昔とのギャップで大して注目されることがない。…のだが、このバンドは長い休止期間の間に更に進化していた!それを証明する再始動後発売の曲。
もう不思議ワールド全開である。メタル?ロック?プログレ?とにかくカオスである。
凶悪なスピードとリフなのだが全体を包む雰囲気、サビのメロディは壮大且つ優しさすら感じさせる。
そして特筆するべきは間奏。SUGIZO、あんたそんなにきれいな速弾きする人だったんか……構成もカオス。ソロの後のアルペジオが不思議ちゃん過ぎ。
年齢を重ねてバンドとしてもブランクがあったはずなのに、これほど攻めた曲を作るパターンはあんまりないんじゃないだろうか。
・TONIGHT
LUNA SEAの"TONIGHT"をApple Musicで
TONIGHT, a song by LUNA SEA on Spotify
今まで紹介してきた曲は何だったんだというくらいメチャクチャシンプルな曲。
INORANに至っては同じリフ一曲丸まるずっと弾いてる。これだけシンプルなのにずっと聞けてしまう、そしてどこか泣きそうになるポジティブな歌が心に刺さる。装飾を極限までそぎ落としても名曲を作れるというバンドのポテンシャルの高さを見せつける名曲でした。
で、曲の紹介はここまでである。はっきりいってこれらの曲はルナシーの音楽性を表す上では氷山の一角と言い切れる。とにかく一曲一曲が濃すぎる!
大好きなバンドなので定期的に曲紹介をしていきたい。今日はここまで。
宣伝ってわけじゃないけどルナシー弾いてみました。