なんでもコンクール

好きな音楽についてゆるーく書きます。基本的に褒めちぎり。

バンド音楽が死んでいるらしいので「Nothing's Carved In Stone」で人間の演奏の魅力を再確認しようと思う。

もう何年も前から言われ続けているけど「バンド」って全然人気が無いらしい。

このブログを見ている人とかツイッターのフォロワーなんかは結局のところバンドが好きな人同士で集まっているので当然のようにバンドの話で盛り上がったりイイネをしたりしているから気づきにくいと思うが、USの人気チャートなんかにロックなんて全然入ってこないし、日本のテレビ番組でも00年代と比べるとバンドの出演数は明らかに減っているように感じる。

それでも他の国に比べればまだまだ人気があるほうだとは思うが。

 

 

先日、vampire weekendの新譜の視聴会のレポートでゴッチ(アジカン)が衝撃的なことを言っていた。

 

後藤:最近、音楽のストリーミング・サービスなんかで一番飛ばされる瞬間って、ギターが鳴った時らしいんです。どこでみんながそのアルバムを離脱したかが、データでわかるらしくて。ギターが鳴った時に、特に若い子たちが、次の曲にスキップすることが多いっていう話を聞いて、すげぇショックだなと思って。僕は、ギターだけ弾いてここまで来ちゃったから。

 

http://www.sonymusic.co.jp/artist/vampireweekend/info/506646

 

「ロック=古い=ダサい」というのは100歩譲って理解できるのだが「ギター=ダサい」みたいなところまで来ているのかもしれない。ギターはかっこいいものだと当然のように思って生きてきたものだから僕もショックだった。

そのうち「人間が演奏している」というだけで聴かれなくなってしまうといった事も普通にありそうでこわい。 

 

それでも、打ち込みではありえない個人個人が持ちうる「リズム」「ダイナミクス」でしか成り立たない音楽の要素がある。世間一般でいう「グルーヴ」というやつだ。

 

 

 

今回は千差万別である「グルーヴ」の中でも一際かっこいいバンドを一つ…名を「Nothing's Carved In Stone」(以下NCIS)という。

 


Nothing's Carved In Stone 『Out of Control (LiveVer. 2013.04.17 Shibuya O-EAST)』

 

ひなっち(Ba.日向 秀和)のベースがエフェクティヴな音を出している横で骨太なギターリフ…と思いきや、16ビートにスラップというファンキーなリズムでコードをかき鳴らしていたり自由過ぎる。

バンドの面白いところってNCISのようなクセの強い音が生まれるところだと思う。一人で打ち込んで…いくら頑張ってベロシティを弄っても、なかなかこういったグルーヴを生むのは難しいと思う。

予定調和じゃないから面白い。

 

 


Nothing's Carved In Stone 『Gravity』 (Live At STUDIO COAST 2015.01.15)

 

どんなエフェクトかけたらこんな音になるんや…ピエゾピックアップを使用したアコギともエレキとも言えないアルペジオの音も斬新。

グルーヴに加えて、こういった「発想」の面白さも兼ね備えている。強い、強すぎる。

 

というか、このような「どこかのパートがミスしたら完全に崩壊」してしまうような曲を涼しい顔で演奏する彼らが怖い。

 


Nothing's Carved In Stone 『Spirit Inspiration』

 

今聴きながら感じたのだが、NCISにおけるうぶさん(Gt.生方真一)のリフやフレーズは非常に耳の残るものばかりである。

ELLEGARDEN時代から好きだったけど、それはあくまで「弾き姿がかっこいいから」だった。確かにアルペジオは印象的ではあったけれどね。

エルレが活動休止して、NCISを聴いた時の衝撃といったら…こんなに弾くんか!と。

エフェクターも駆使しまくり…でも芯になるディストーションサウンドは紛れもなく乾ききったロックな音。

 

エルレはエモやパンクだったのであまり体感できなかったのだが、演奏がこんなに「タイト」な人だとは思っていなかった。キレがあって気持ちがいい。

NCISのロック部分は確実にこの人が支えている…と思う。

 

 

ここまでべた褒めしてきたが最初聴いたときにマイナスに感じた部分もあった。たくさん(vo/Gt.村松 拓)の英語の発音に非常に違和感を感じていたのだ。

でも、途中から日本語の歌も歌うようになった。

 


Nothing's Carved In Stone 『きらめきの花 (Live at STUDIO COAST 2014.01.30)』

 

 

エッモ!!

人間って不思議なもので、一度良いと感じてしまうと今まで気になっていた英詞の曲も全然気にならなくなって普通に聴けるようになってしまった。いや、この現象は僕だけかもしれんけど。

おまけにこの人「男前」である。めっちゃかこいい。

 

 

…といったように如何に彼らの演奏がカッチリしていて、面白くて、エモいかという話をしてきたのだが、そんな彼らの楽曲の中にも初期衝動全開勢い100%な楽曲がある。

 


Nothing's Carved In Stone「Isolation」

 

このバンドが結成されてからセッションによって生み出された最初の曲である。

この感じですよ…打ち込みでは絶対に作り出せないグルーヴって。

 

改めて言うけれど「趣味趣向、生き方、育ってきた環境、好きな音楽」…全部バラバラな人間が同時に音を出したら何故か調和して「カッコイイ曲」が生まれるってめっちゃ奇跡的なことだと思いませんか?バンドってやっぱ面白いです。

 

 

 

 

別にEDMとかヒップホップが嫌いというわけでも何でもなく(むしろ最近は特に好んで聞いている方)、バンドってこんなに面白いよ!って話でした。

最後に超絶名曲貼っておくんで聴いてください↓

 

 


Sunday Morning Escape - Nothing's Carved in Stone