なんでもコンクール

好きな音楽についてゆるーく書きます。基本的に褒めちぎり。

宇宙人「Steve Vai」

自分が小さいころに聴いていた音楽…大体はTVやラジオ、あるいは親のが聴いていた音楽が全てだった。僕の場合はポルノグラフィティ、B'z、GLAY…といった感じ。

 

そこから、中学生の頃にXやマキシマムザホルモン、slipknot等々…に出会って「こんな激しい音楽が存在したのか」と、自分が特殊な音楽を発見したという優越感みたいなものに満たされていた。

いや、満たされた気になっていたのだ。Steve Vaiに出会うまでは。

 

 

 

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それまで聴いてきたバンドの音やプレイからはかけ離れた、完全なる常識外の音楽だった。というか今聴いても新鮮に感じる。

当時はギターの知識もそれほどなかったので、アームやワウを多用した「人間の声」のような音が衝撃的だった。

…というか最初は音源でしか聞いていなかったので動画を見た時に、どうやって演奏しているか知ったくらいだ。映像を見て2度目の衝撃という感じ。

 

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いやいやギターで弾くんかい。

テレビドラマ「医龍」で使われていた事で有名な「Building The Church」という曲だ。イントロのフレーズ、僕はキーボードだと思い込んでいたのでライブ映像を見てビックリしたことを今でも覚えている。

 

 

 

 

 

エレキギターで可能な演奏技法やエフェクトは、ほとんど彼が一人でやってしまったのでは?というくらい特殊奏法を駆使するギタリストなわけだが、彼の一番凄いところはメロディセンスであると思う。

 

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まさに神聖という言葉が似合う名バラードだ。4日間断食を行い、ピラミッドで瞑想をしてからレコーディングに至ったというエピソードからして神聖だ。一流のミュージシャンはもうそこから違う。

この曲の聴きどころはドラマチックな曲展開だ。静かでメロディアスなバラードかと思えば、爆発的な音数での速弾きで曲をこれでもかと盛り上げる。まるで上質な映画のような起承転結が素晴らしい。

エレキギターが単なる歌の伴奏やギターソロの域を超えた瞬間の一つだと思う。楽器一本でこれだけ聴かせる曲を作る彼は紛れもない天才だ。

 

この曲が収録された「Passion and Warfare」がインストゥルメンタルアルバムでありながらビルボード全米18位、全英8位にチャートインしたという事実が、大衆の心に刺さったということを証明している。

 

 

 

 

 

彼は昔、ブルースが好きではなかったらしい。実際、彼はプレイするときにオーソドックスなブルースのスケール(音階)をあまり…というかほとんど使っていなかったようだ。そんな彼が作ったムーディーな名曲があるので紹介したい。

 

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ピッキングの強弱、円を描くような独特なビブラート、荒れ狂うアーミングがこの世に似たものが存在しない独特な1曲を生み出した。彼はエフェクティブなギタリストだが手元の操作だけでこれだけの曲を生み出せるという事実に今以て驚いている。

 

この曲のリリースから25年も経過しているというのに彼と似たような曲を作るギタリストは未だに存在していないのだ。これを宇宙人と言わずして何と言おうか。

 

 

 

 

 

…と、ここまで書いてきたようにとにかく凄いギタリスト!な訳だが、まだまだ彼の魅力の極々上澄み部分しか伝えていない。個性的な曲はまだまだ山ほどある。探してみてほしい。

彼の天才・変態エピソードもググれば山ほど出てくるしどれも面白いので興味を持った方は調べてみるといいかもしれない。

 

もう一曲、今のような暗い世情だからこそ聞いてほしい珠玉のバラードを貼っておきます。こんな曲はこの人以外に書けないでしょう。

 

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