なんでもコンクール

好きな音楽についてゆるーく書きます。基本的に褒めちぎり。

BABYMETAL「LIVE AT THE FORUM」感想

緊急事態宣言、自粛、Stay home、うちで踊ろうetc……

日本国民は現在コロナウイルス、経済危機、そして「暇」と戦っているわけだが、様々なアーティストが「飲み会」や「ライブ映像」の無料公開等々…色々と実施してくれている。

 

そんな中BABYMETALも立て続けに過去のコンサートをライブ配信の形で提供してくれた。そして、メタル欲が高まったところで5/13日に最新作品「LIVE AT THE FORUM」が発売されるという、なんとも購買意欲が高まる流れができていた。

 

 

まだ12日ですけどね。フラゲしたので速攻鑑賞。

現在2週目を鑑賞中なので感想を綴っていきます。

ネタバレ注意↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セットリスト

1. FUTURE METAL
2. DA DA DANCE (feat. Tak Matsumoto)
3. メギツネ
4. Elevator Girl
5. Shanti Shanti Shanti
6. Kagerou
7. Starlight
8. ギミチョコ!!
9. PA PA YA!! (feat. F.HERO)
10. Distortion (feat. Alissa White-Gluz)
11. KARATE
12. ヘドバンギャー!!
13. Road of Resistance
14. Shine
15. Arkadia

 

東京ドーム以後、数年間の間に、Red Hot Chili PeppersMETALLICA ・Guns N' Roses・Korn等のビッグネームのサポートアクトや、Rock am Ring・Download・Glastonburyその他諸々のフェス出演(グラストンベリー出演って今でも冗談みたいな字面)、そして、ワールドツアーを経てただでさえ経験値稼ぎまくりだった彼女たちがどうなっているのか、ワクワクしながら待っていた。(色んな媒体で追ってたけどね)

 

なんというか、美人に成長したなぁという音楽関係ない感想が最初に出てくる。もうすぅちゃんとか最愛ちゃんなんて言えないっすね。楊貴妃クレオパトラ・すうさん・最愛さんって感じ。

”BABY”と銘打っているものだから大人になったらどうするんだ…なんてことを数年前には思っていたわけだが、流石にプロデュースが上手い。今の黒一色の衣装と、楽曲群だと全然気にならない。

DARK SIDEで一度ガラッと見た目がドぎつい感じになったおかげか、今の衣装になったときのギャップみたいなのが緩衝されたのかもしれない。

 

 

 

3rdアルバム「METAL GALAXY」はその攻めた作風からか賛否両論な印象で、古典的なテンプレートメタルに飽き飽きしていた僕は完全に”賛”側だった。特に2曲目の「DA DA DANCE」が90年代生まれで、小室likeな打ち込みサウンドが胎児の頃から沁みついていて、かつB'z…TAK信者である僕みたいな人間にはたまらなかった。

セットリストも1,2曲目はアルバム通りで、美麗で壮大な映像で始まる1. FUTURE METALで高まったボルテージのまま2. DA DA DANCE に突入した。

 

正直この曲は、日本人だからこそグッとくる…多分そんなタイプの曲だ。それが海外でどんな受け入れ方をされているかが少し不安でもあった。

が、映像見たら杞憂であった。凄まじい歓声、踊り狂う外国人…一部盛り上がってるのではなく全体的にキマっている雰囲気だ。2016年「LIVE AT WEMBLEY」も盛り上がっているがそれ以上に観客の身体が動いている…そしてとにかく楽しそうな笑顔&笑顔&笑顔…

地道な武者修行の成果か、明らかに数年間の間にBABYMETALというものが世界に定着しているような感じがして感動してしまった。音楽は本当に国境を超えるらしい。

youtubeに公開されているオフィシャルビデオで何回も見ていたのだが、改めてMOAMETALが持つ”魔性”みたいなものを再確認した。

 

ラップパートでMOAMETALがセンターになってダンスを繰り広げるのだが、その時の表情がヤバい。完全に悪い女である。こんなに挑発的な表情が出来るパフォーマーがいるだろうか、いやいない。(反語) 思春期に観ていたらガチ恋になってた希ガス

 

youtu.be

 

 

 

そんなこんなで盛り上がりを維持したまま3. メギツネに突入。初期の楽曲をもうここで投入してくるのに結構驚いた。

過去作品やyoutubeで何百回と見ているわけだが、ギターのピッキングハーモニクスの音で些細な違和感を感じた。あぁ、神バンドのメンバーがガラッと変わってしまったんだなと。ここではそれほど気にならずに映像に集中していたけど。

この曲の見所の一つにブレイクダウン後のSU-METALがキツネ様のお面を投げる場面がある。過去映像を確認してみるとシリアスな表情のまま、結構芝居がかった感じでお面を外していた…のだが、物凄い余裕の笑みで斜め左下にお面を外すようになったらしい。グラストンベリーの映像でも結構余裕あったような。

…とにかく、グッと来た。QUEENの貫禄というのだろうか…より自然体なパフォーマンスがミックスされることで、アクターな印象から”シンガー”らしさみたいなものが強調されたというか。非現実的なステージがより身近なものに感じられた。

 

 

 

再び3rdより4. Elevator Girl。先行公開されていたので他の曲よりは多少馴染みが深くなっている曲だ。この曲の肝は個人的にイントロのコードだと思う。メタルらしからぬジャジーなコード進行が鳴り響く。ライブverなのでそれが更に長くなっていて「くるぞ…くるぞ…」感が楽しい。曲の時間が短いしちょうどいいのかも。

ちなみに海外公演なのもあって、英語verだった。外国語で歌うと途端に大人びた印象になるなーと。後ろの映像が疑似エレベーターみたいになっていてカッコよかったです。

 

 

 

異国系の曲の中でも特にSU-METALのポテンシャルが発揮される5. Shanti Shanti Shanti。CDの時点で凄まじいハイトーンを見せつけていたわけだが、やっぱりライブでも凄かった。

過去の楽曲を振り返ってみて、どちらかというと真っすぐな歌唱が多かった。ただこの楽曲はまるっきり逆で、時に演歌のようなタメというか…緩急がとにかく大仰でエロティックだ。時に舌を噛みそうになるほど音数の変化が激しく、メロディの動きも激しい曲をCDさながらに歌えてしまう技術に脱帽。流石は悪夢の輪舞曲を歌っただけのことはあるというか。

 

圧倒されつつ、神バンドのソロコーナーに突入。ここで先に感じた違和感が再び到来。

あまりにメタル過ぎて僕的にはあんまり高揚しなかった。フレーズが悪いとかではなくプレイに表情を感じなかった。そもそも神バンドのギタリストは技術に加えてトーンもフレーズも結構癖が強かったと思う。”必殺技”を持っていたというか。

あくまでソロコーナーの話でBM自体にはそれほど関係ない部分なので、とりあえずは置いておくとしよう。

 

 

 

アルバム的には後半に配置されている6. Kagerou・7. Starlightが立て続けに来たことには結構驚いた。特にStarlightは、てっきり終盤にくるのかと。

kagerouのリフ、そして重たいグルーヴはアメリカンな泥臭さを感じる。やはり本国ではウケるのか映像だとヘドバンしている人がめちゃ多い。

インダストリアル、ポストグランジのような乾いた楽曲にSU-METALの真っすぐな声がめちゃくちゃ似合うというか。このシリアスさ・本場っぽさは年齢を重ねたからこそ出せるんでしょうね。

そして、Starlight…この楽曲については語りつくされているだろう。YUI-METALの脱退や藤岡幹大の死…と、ネガティブなことがあったけど「なるべく振り返らずに、今のBABYMETALの前進」をポジティブに見守ろうという気持ちがあった。でも、どうしても思い出してしまう楽曲だ。

本当に宇宙とか天国とかまで届いてるんじゃないかと思ってしまうハイトーンで、もう涙腺が緩みに緩むというか。ここまで比較的フラットな気持ちで見てきたのだが、かなりかき乱されてしまった。気になる方は円盤買ってください。

 

 

 

ライブの流れが上手いというか…良い意味で混乱している所に8. ギミチョコ!!をぶち込んでくるセンス。ここで現実に帰って来られた。所謂”エモい”状態からの解放をしてくれたのだ。多分、会場の人たちもそうだったに違いない。

流石に海外人気の高い曲だけあって凄い盛り上がりですね。僕は散々聴いているので鞘師~~って感じでした。

人気が高まりすぎてBM的には完全なるスタンダートと化したせいか、こういったガーリーな曲を今やっても思ったほか違和感はないというか。洗脳…?調教されているのか…?

 

 

 

ライブで化けると噂の9. PA PA YA!!が立て続けに来た。なるほど、ライブの流れで聴くと、跳ねたリズムがノリやすくて、それまで首を振ったりエモくなったりしたいせいで身体にたまったストレスが解放されるような気分になった。椅子に座ってても感じたので間違いない。(多分)

にしても、この曲のリリースまでF.HEROなんて誰も知らなかったはずなのだ。僕も全然知らんかったはずで…でも本人映像が出てくると「キターーーー」って感じるんですよね。不思議すぎる。BM効果。

 

 

 

そして10. Distortionもう完全にキラーチューンですね。大人BMの先駆け。

シンコペーションDistortionのギターのメインフレーズは、それだけで武器になるくらいカッコよくて…ライブ版だとイントロで繰り返し流れてくる演出に気持ちが高まる。

 

DARK SIDEの時もすげー良かったんですよねー。個人的にこの曲のMOAMETALのダンスがカッコよくて好きだったりする。

 

youtu.be

 

アヴェンジャーズの岡崎百々子さんを加え、3人でのパフォーマンスになっているわけだが、元々真っすぐでカッコイイ振り付けなだけあって、対称になると鋭さを増している。ってかアヴェンジャーズすげえ。

ダンスには疎いがあそこまでピタッと体の動きって止められるもんなんですかね。踊りと音がぴったり揃っていて見ているだけで気持ちいい。

 

話逸れるけど、いつかアリッサとの共演とか見てみたいですね。メタル聴かない人には馴染みがなさそうだけどAlissa White-Gluzという人物、feat対象としてはかなりのビッグネームですからね… メタルバンドの女性ボーカルだったら世界トップクラスに知名度ある人。

Arch Enemyの前はThe agonistってバンドでボーカルをしていたんだけど、その頃から好きだった。ので、METAL GALAXYの情報が公開されたときはテンション上がったなぁ。

 

 

 

ライブもラストスパートに差し掛かってくるわけですが、ここで11. KARATEが来るわけです。この曲もリリースから相当経過しているだけあってスタンダードっぽさが強い。

一度、starlightでガツンと心をやられてしまったものの、比較的メンタルはフラットな状態で見ていた、と思う。でも、間奏部分の寸劇に再びやられてしまった。文字に起こしてみると何をいまさら…といった感じだが。

3人の倒れ方、表情、寄り添い方の演技力が高すぎて、素で「うおおおがんばれええええ」となってしまった。オーディエンスを煽るverじゃないので余計に目を引いたのだろうか。これもう現代のオペラですよ。

「はしれええええ」もそうですけどSU-METALのロングトーンってなんでこんなに人の涙腺を煽るのだろうか。学術的な見解とか誰か出してくれないかな。

 

 

 

立て続けに次の曲の12. ヘドバンギャー!!

ギミチョコは分かるとして、この曲は結構予想外…セットリストを眺めているとなんとなく浮いているような気がする。というか完全にファンサービス感が強かった。やっぱ初期の曲がきて僕もテンション上がりました。

この辺で1st・2nd楽曲の神格化を強く感じていて… BABYMETALはとにかくリリース間隔が長い。METAL GALAXYだってまだ3枚目なのだ。おかげで、現状聴ける少ない楽曲をひたすら聴き返すことになる。覚える気でもなかったのに歌詞まで覚えてしまうレベルに。

普段では聞き飽きる程度に聴いていても、いざライブで馴染み深い曲が来たらテンションが上がるものだ。バンプのライブに行って天体観測が来たら誰だって嬉しい。そんな楽曲がアルバム2枚規模で存在しているのが今のBMだと思う。

 

もっとリリースしてくれという気持ちもなくはないが、この間隔の広さは楽曲のクオリティの為の代償なんでしょうね。商業的に定期的に作品を出して中途半端な曲を出されるよりいいし、なにより何年聴いてもいいと思えるような楽曲ばかり。やっぱクリエイター陣も素晴らしいユニットだ。

 

 

 

 いよいよフィナーレ直前に13. Road of Resistance。これも説明不要の楽曲ですね。相も変わらず人を狂わせてモッシュピットを召喚してしまう…安定の盛り上がりって感じでした。「シャウッ」のMOAMETALが可愛すぎて本日何度目かの憤死&すぅさんの「AH---!!」があまりにパワフル過ぎて爆笑したのもポイント。

というか曲終りのテンションがライブ終わり!!って感じで「あれ…shineとarkadiaは…」と一瞬疑ってしまった。

 

 

 

メンバーがはけ、訪れる静寂からの「BABYMETALコール」

アンコール的な雰囲気が漂いだす中、ちらほらと次の曲を察してライトを付けだす人が続出。そして紙芝居…

 

遂にきました名曲14. Shineですよ。流石に心が躍った。

美しい宇宙の映像をバックに、漂うスモークの中で逆光で踊りだす絵面が神聖すぎて口ポカーンだった。

(全然関係ないけどモーニング娘。'14 「時空を超え 宇宙を超え」っぽさを思い出す。あれもいい曲だった。)

starlightを聴いたときのメンタルまで引き戻された感じで、今2週目を見終わったけど説明できない凄みみたいなものがある。見所とか書きだすのが野暮といいますか…

BABYMETALは語らない。とにかく語らない。SNS上では情報の告知だけだし。メディアへの露出も極々稀である。その分、ライブパフォーマンスで何かを語っているような…そんな気にさせる圧倒的表現力。

この楽曲の歌詞やメロディの意図とか、語らないので真相はわかりませんが、この歌声は確実に天国まで届いてると思います。

 

 

 

そして…15. Arkadiaである。

もうアルバムを聴いている時点で途轍もないパワーの楽曲なことは分かっていた。そもそもMETAL GALAXYというアルバムは

6.「Starlight」
7.「Shine」
8.「Arkadia」

のラスト三曲の為のアルバムと言いたくなるくらい、感動的なフィナーレを迎えるアルバムだ。

1st、2ndと様々な”メタル”を網羅してきて、3rdではメ、メタルか…?的な曲が多かった。期待と不安が入り混じった状態で聴き続けてきて、最後にバッチバチの「王道ヘヴィメタル」を置いてくるのは何度聞いても”ずるい”なと。あくまで我々は”METAL”だぞと言わんばかりの楽曲。

自分がメタラーだからか、何故だかわからないけどアルバムの流れでこの曲が来ると反射的に涙が流れてくる程感動してしまう。

音源の時点で、こんな感想がまとまらない名曲がライブでどうなるかなんてことは、考えるだけ野暮だった。

 

”光より速く

鋼より強く

使命の道に怖れなく

どれほどの闇が

覆い尽くそうと

信じたこの道を歩こう”

 

あんな真っすぐな声でこの詞を歌われた日には…全然文章が浮かんでこないので…(ブログなのに)気になった人は実際に購入してみたほうがいいと思います。

 

 

 

 

 

と、長くなりましたがこんな感じ。半分くらい楽曲レビューみたいになってしまいましたが…

他にも幾つか気になったことがあったので…

 

ドンシャリ気味の再生機器で聴かないほうがいい(僕の環境ではそうだった)

 

低音すさまじいです。特にキックが強くて…最初はboseのスピーカーで聴いてたけどボーカルがちょっと聞きにくかったです。モニター用のヘッドホン使って比較的フラットな状態で聴いたら超いい感じ。最初からこうすればよかった…

 

・メンバーの顔がやっぱり見たかった

・上手いけど演奏がCDに寄せ過ぎでライブ感がちょっと薄いか?

・shineのギターソロの最後のニュアンスに違和感…

 

1点目については、演奏者がGALACTIC EMPIREのメンバーなので仕方ないかなと納得。顔出さないバンドなんでね。でもやっぱ演者の顔が見えたほうが人間味出て好きだなぁ…

2点目について、昔、神バンドがどっかで言ってた気がするけど…「余りに音源に寄り過ぎてライブ感が損なわれる」的な。これは演奏年数もあるかもしれんのでこれからかな… 音源とライブの演奏の差別化とか凄い悩みだと思うけどね。上手すぎるからこんな問題が出てくるわけで。

3点目については…これはもう普通にワガママ意見。はい。

 

 

 

 

 

こんな感じでした。

パフォーマンスもだけど、お客さんの表情が沢山写ってたのが一番よかったな…

 

では。